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【感想】『新・脳と心の地形図』感想

Rita Carter 著、藤井留美 訳、養老孟司 監修『ビジュアル版 新・脳と心の地形図 -思考・感情・意識の深淵に向かって』原書房、2012年、2500円+税 の感想です。
MappingTheMind.jpg


いい本なんですが・・・

著者はイギリスのサイエンス・ライター。脳科学に関する本をいくつも出版しています。

この本は1998年の初版を2010年に改訂したもので、当初は「最新の研究成果を大まかでいいから理解したい」という読者向けに書かれたものでしたが、「さまざまな分野の学生に教材として詠まれた」事情もあり、一般読者と学生どちらにも読めるようになっています。ですので、ある程度脳の知識がある方には、興味深い内容が多いです。特に、 大脳辺縁系 の記述は類書にない詳しさで、個人的には大変役立ちました。

難点は3つ。

(1)局在論的な視点が強いこと

局在論とは、脳の「ある部分がある機能を担っている」という考え方です。(詳しく知りたい方はこちら

最新の研究では、脳は「ある部分がある機能を担っている」というよりも、「ある部分はある特定のネットワークを働かせたり、止めたりするスイッチとして機能している」という考え方が出てきていて、個人的にもそうだと感じているので、そういう意味で違和感を感じる記述がけっこうありました。

初版が1998年だということや、著者がジャーナリストという点も考えると仕方がないのかもしれません・・・


(2)不適切な訳があること

たとえば
1章 The Emerging Landscape → ダイナミックなシステム
2章 The Great Divide → 意識の王国-右脳と左脳
3章 Beneath The Surface → 脳の発電所-大脳辺縁系
4章 A Changeable Climate → 感情は化学物質である
5章 A World of One's Own → 脳の生みだすもの-知覚の不思議
6章 Crossing The Chasm → 意識の王国-右脳と左脳
7章 States of Mind → 記憶はどのように保存されるか
8章 Higher Ground → 意識はどこにあるか

2章と6章のタイトルが同じ・・・
章を追うごとに、だんだんと高次の精神活動になっているのが 日本語だと伝わらない・・・

特に本の後半では、訳のミスではないか?と感じる箇所が増えました。


(3)翻訳時の図の誤りがあること

これはちょっと 致命的 です。

たとえば260ページの図では、海馬と側頭葉と扁桃体と被殻が入れ替わっています。

もともとの図や写真、CGは鮮明でクリアーなだけに、とても残念です。

そういう意味で、脳に関する基本的な知識がない方は、誤解してしまう可能性があるので、オススメできません。あるいは、英語が苦にならない方は、原著のほうがよいのかもしれません。もったいないです。

・著者のページ
・原著の中身を見る(アマゾン)

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